墨歩会さんのライティングスタッフ・眞山健幸と申します。
今回は、お世話になっております、墨歩会さんのオンライン書道教室にお邪魔させて頂きました。
新型コロナの流行から始まり、急速にオンライン化が進む現代。以前は対面で行うことが当然だったことも、web上で行われるようになりました。
その一つが習い事です。特に習字は、アナログの極致と言えるほどオンラインとは無縁の習い事でしたが、最近はオンライン書道という教室が登場しました。
墨歩会さんのオンライン書道教室は、web書道作品展を2013年から開始されており、その先駆けと言えるでしょう。
今回は、そんな墨歩会さんの小学生オンライン書道教室を拝見し、感じたことをまとめてみました。
授業の流れと特徴
好きな時間にお手本動画を視聴して学ぶ
生徒さんの都合の良い時間に、お手本の動画を見て書き方を学びます。オンラインですので、スマホやタブレットなどで少しの空き時間に学ぶことができます。
動画ですので、分からなかったポイントでも繰り返し視聴できるのは良いですね。リアルな習字教室にはないメリットです。
お手本の動画も見やすく、上からと横からの2方向から書いているシーンを映しています。そして赤字で気をつけるポイントを書いてくれるので、注意すべき点がわかりやすいです。
事前に書く
生徒さんはお手本動画を見ながら受講する前にまず自分で書きます。そしてできた作品を撮影して、先生に送信します。
先生は、授業の前に生徒さんの作品を添削できるので、改善すべき点を洗い出すことができます。
生徒さんと接する以外の時間も有効活用することで、オンラインで接す
る間の学びを最大限に生かしていました。
オンライン授業
授業はオンラインコミュニケーションツールのzoomを使って進められます。先生は、生徒さんが事前に送った作品の画像を見ながら修正ポイントを伝え、それを元に生徒さんはその場で書きます。
生徒さんは自分の気をつけて書くべきポイントがすぐに分かるので、オンラインとはいえリアルの教室と変わらず上達できそうです。
また希望者へは、先生がもう一度画面越しで書いてみせることもあるそうです。
その際はzoomで手元を上から撮影している動画も、2画面でリアルタイムで見ることができ、非常にわかりやすいです。先生曰く、たいていはこれで上達するとのこと。確かにその通りだと思いました。
コース
毛筆と硬筆ありますが、小学生以下のお子さんへは、親子で受講できるコースもあるのが特徴です。
親子のコースは、筆の持ち方から書き方から姿勢、線の引き方など基礎的な内容です。親御さんも楽しみながら学んでいるのが印象的でした。
このコースでは、お子さんが学ぶだけでなく、親御さんも子供にどう教えたら成長できるのかも学べます。
家事や育児に忙しいご家庭でも、親子で都合の良い時間に気軽に学べる、これからの時代のニーズに応えた学びです。
3.他の教室との違い
他のオンライン書道教室では、お手本を見て生徒さんが書くのを待ち、それを見て先生が添削するだけの授業が主流のようです。
それでは、先生がお手本を書いているところを見ることができないので、生徒さんはどのように直せば良いかイメージし辛いでしょう。
また、最近ではスマホ一台で手軽に始められるとして、自分で課題を選んで書いて提出し、添削を受けるというサービスも現れています。
確かに時間的制約がないのはメリットですが、先生からその場で直接指導がなく、すぐに修正点を意識して書き直すことができないので、どの程度成長できるのかは疑問です。
墨歩会のオンライン教室では、先生がその場で添削・指導し、それを受けて生徒が何を考えてどう工夫したのかを見逃しません。
先生は、誰の何枚目がどういった作品だったかを覚え、比較させながら指導していました。
生徒さんは工夫した点が先生に伝わっているとやる気が出て、さらなる成長につながるでしょう。
お子さんに確かな成長をさせたいのであれば、墨歩会さんは非常に優れたシステムを創り上げています。
印象
ここからは、授業の様子を拝見していて私が持った印象をご紹介します。
(1)全体的にフラットな雰囲気
受講時間はカッチリ決まっておらず、ある程度自由に受講できるようです。生徒さんや親御さんの都合に合わせやすいですね。
また、複数でも受講できるので、画面越しとはいえ他の生徒さんの書く姿勢や作品を見ることができて、一体感を持つとともに、自分の直すべき点も見出しやすくなっています。
また、学ぶだけでなく、zoomならではの機能・バーチャル背景を使って生徒さんと少し遊んだりと、明るい雰囲気でした。「笑う門には福来る」と言いますが、生徒さんの心を豊かに成長させることができると思います。
(2)柔軟な対応
また面白かったのは、たまたま生徒さんのそばでパソコンを見ていた弟さんも、ゲリラ的に授業に参加されたことです。その場で先生は硬筆練習用紙の課題を用意し、チャットで送信。迅速に対応され、弟さんも楽しく学んでいました。
また、毛筆と硬筆両方受講予定だった生徒さんの授業も、生徒さんが「やっぱり硬筆だけでいい」と言うとその通りにするなど、驚くほどその場に応じて柔軟に対応されていました。
(3)暖かい雰囲気
受講中の生徒さんの真剣な顔と、褒められたときの笑顔が印象に残りました。
生徒さんは先生の花丸評価が欲しいらしく、「どの字なら花丸?」と聞き、先生の選んだ字に、嬉しそうに花丸をつけていました。この光景を見て、ふとある格言を思い出しました。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
これは、太平洋戦争中に活躍した山本五十六の言葉です。私は特に軍事マニアというわけではありませんが、仕事柄人を教える立場になると、この言葉がどれだけ的を得ているかがよく分かります。
墨歩会さんのオンライン書道教室も、まさにこの格言が当てはまります。
特に小学生のお子さんにとって褒められるということは、成長の原動力になります。
オンラインであっても、人の持つ暖かさというアナログな要素で生徒さんの未来を豊かにする。この教室では、そんなことが実現できるでしょう。
まとめ
以上、墨歩会さんのオンライン書道教室潜入レポートをさせて頂きました。人と対面が避けられる今だからこそ、自宅で書道という学びの選択肢をお子さんに差し上げても良いのではないでしょうか?